内田園では一年を通して、その季節にあった、柔らかい品種を選定し「柔ねぎ(やわらねぎ)」と呼んで生産しています。「美味しく食べる」にこだわった、深谷ねぎです。
深谷ねぎを作り始めたころは、正直なところネギの美味しさの違いを意識したことはありませんでした。商談の会話の中でも、「ネギなんてぶっちゃけどれもいっしょじゃないですか」そういう会話を聞いても、否定するまでの確信もなく、むしろ納得してしまう程度。
深谷ねぎについて、いろいろな人に話を聞くにつれ、それも間違っていることに気付かされます。
「昔の深谷ねぎは柔らかくてもっと美味しいネギだったけどねー」
「〇〇の道の駅じゃ、〇〇の品種のネギじゃないと売れないって話だ」
・・・などなど。
柔らかいネギの存在を知るようになり、もちろんネギ屋としてその柔らかく美味しいというネギに興味を持ち、調べ、自分でテスト栽培をし、試食をしました。意識していたからなおさらだったか、その柔らかさに感動し、ネギ屋をやっていく中でこれを作らずには名乗れないものと感じ、今に至ります。
その後はもちろんのこと、その「柔らかいねぎ」を一年を通して作れるようにしたいという思いから、テスト栽培を重ねていますが、柔らかいねぎには季節により難しい季節があります。夏場は痛みやすく病気になりやすいですし、冬場は柔らかいだけに霜を受ければすぐに葉が折れてしまい収穫前から見た目が悪くなってしまいます。春になれば、成長が早い分ネギ坊主になるのも早く、収穫期間が短くなります。そういった収穫が難しい期間でも、安定して出荷できるよう「柔らかいネギ」を、研究開発しています。このように常に良いものへ更新させていくねぎを、内田園では「柔ねぎ」と呼び、ブランディングしています。
柔らかいネギにこだわる
手間がかかるが食味の良い柔らかいネギは、病気にもなりやすく、天候の影響も受けやすい繊細なねぎです。ネギの生産者とすれば、いかに出荷量を確保するかが収益につながるものですので、こういった繊細ですぐに折れたり傷になってしまうネギよりは、丈夫で病気にもなりにくいタフで作業性のよいネギが好まれます。実際に市場の人に聞いても、柔らかいネギなどは、最近では取引が減り、ほとんど見なくなったといいます。手間がかかるが食味の良い柔らかいネギは、農家の自宅用や贈答用として出回ることがあっても、一般の流通へは乗りにくいのが現状です。内田園ではこの美味しいネギを知らない人に食べてもらいたい思いから、柔らかいネギ「内田園の柔ねぎ」にこだわっています。
深谷ねぎについて
「深谷ねぎ」とは、埼玉県の深谷市内の大地で生産された長ネギのことを称します。昔からのネギ生産の盛んだったこの大地はネギの生産に適した土地です。
ネギにとって最適な大地
一年を通して収穫できる、ネギにとっては最適な大地が深谷には揃っています。
冬では地力の高い北部地域の地層、夏では水捌けの良い南部の地層。この恵まれた深谷市の大地を活かし、「ネギなんてどれも同じ」とは言わせない、より食味にこだわった昔ながらの深谷ねぎの育成に励んでいます。
食味の良いネギは作るのが難しい。
食味の良いネギとは、皮も柔らかく煮ればトロッとするほどに柔らかくなるものです。昔は自分たちの食用のために美味しいネギを育てつないで来た農家も、量産出荷が主流となってしまった現代では、生産性が優先され、昔から繋いできた、柔らかく美味しいネギは消えかけてきています。貧弱で作るのがが難しく、ロスが多くなってしまうとしても、困難を承知でチャレンジしてこそ良いものが生まれます。その美味しさ、価値観がわかる方へ届けていく、昔からの「柔ねぎ」を繋いでいくことが使命です。
柔ねぎのパッケージ「ねぎ屋の深谷ねぎ」
「柔ねぎ」であることがわかるように、オリジナルデザインパッケージを制作。日本の伝統的な麻の葉文様などと一緒にデザインすることで、昔ながらの食味と美味しさを表現しています。